世界遺産の街の、とあるボッタクリ・システム? 其の3 - 海外旅行ガイドブックのお仕事

世界遺産の街の、とあるボッタクリ・システム? 其の3 - 海外旅行ガイドブックのお仕事


世界遺産の街の、とあるボッタクリ・システム? 其の3

Posted at 08/04/25 Comment(6)» Trackback(0)»

ブラジルの世界遺産、オリンダの街並み 前回の記事「続・世界遺産の街の、とあるボッタクリ・システム?」の続きです。ここから読み始めの方は「世界遺産の街の、とあるボッタクリ・システム?」からご覧ください。

オリンダの街で、前日に僕にガイドをするからと言っていた男を避けていたところ、ほかのガイドといたところでその男に鉢合わせ。恋人と一緒にいるところで昔の恋人にばったり会ったような、僕は何も悪くないのに気まずい雰囲気となりました。

その男は怒りをあらわにして僕に近づいてきました。さて、その続きは…。



昨日のガイドは僕の顔を見ると、僕を指さしながらこっちに向かってきました。明らかに僕に対して怒っているようです。さらに近づいてくると、今度は自分の腕時計を指差し、そして次に自分の(彼自身の)目の下を指差しつつポルトガル語で「9時!」と言います。僕の理解が間違えてなければ、「オレは9時からあんたを探して待っていたんだぞ! 何やってんだ」とアピールしているようでした。

僕としても、「は? 約束なんてしてないだろ」と強気です。日本人流に断りははっきりとしていませんが、約束は一切していません。

すると、その男は「ポリシア、ポリシア」と言い出します。ポリシアとは、お分かりのように「ポリス(警察)」のポルトガル語読みです。

いったいどういう件で、僕がこのことから警察の世話になる可能性があるんだっつうの。ただ、彼はやたらと興奮しているようなので、下手に何も言わないようにしました。暴力を奮われたらどう対応しようか、そんな覚悟までしていました。

僕は反省の姿勢を見せようと「ソーリー」と英語で言うと、何がソーリー、ソーリーだ、みたいにののしります。昨日の食事中には、あれだけ英語を使っていた彼でしたが、この日はほとんどポルトガル語だけ。僕も昨日は一生懸命ポルトガル語を織り交ぜていましたが、この時は英語だけで話しました(慣れない言葉で失言をしないように)。

彼は僕に直接ポルトガル語で言っても埒があかないと思ったのでしょう、この日雇ったガイドに何やら訴えかけます。今日のガイドは落ち着いた感じに彼をなだめているようでした。

今日のガイドは僕とその男の間に立ち、しばらくその男の言うことを黙って聞いていると、やがてその男は離れていきました。今日のガイドは僕に「気にするな。結局、今日あなたが私に払ってもらう料金は、彼が属するのと同じアソシエーション(組織)に入る訳だから。もし彼を雇っていたとしても、私を雇っても、それは同じことだから」と言います。

その後は落ち着きを取り戻し、すべての観光物件を取材し、最後にレストランを取材。食事する時間的余裕はなかったので、飲み物だけを頼みました。そして、今日のガイド料を精算させてもらいましょう、ということにしました。

これがオリンダ式? 寄付じゃなかったの

前回の記事「続・世界遺産の街の、とあるボッタクリ・システム?」を読んでいただいていればお分かりでしょうが、当初彼はガイド料は僕が思った額を支払えばいいと言っていました。

ところが。。。彼は真面目な顔をして「1時間40レアル(約1600円)だから5時間なので200レアル(約8000円)だ」と言うじゃありませんか。

僕は「あんたは最初にドネーション(寄付)だと言ったじゃないか」、と反論します。しかも寄付とはいくらぐらいかと尋ねたら、たいていは40レアルぐらいを支払うと言ったじゃないか、と僕は100レアル(約4000円)を出し、これが精一杯だと思う、と言いました。

するとどうでしょう、ガイドは「ベリーリトル(とても少ない)」、と言いやがります。リトルってあんた、日本の物価から言ってもこれは結構な金だぜ、と僕。すると、わかったよ、160レアル(約6400円)でいい、みたいに値下げしてきました。

僕は飛行機出発までの時間的余裕もそれほどないことから、「わかった」と僕は20レアル(約800円)を上乗せし120レアル(4800円)でいいだろうと言います。ガイドは150レアル(6000円)でいいから、と。もうのんびり交渉している時間はないのだ。「わかった、じゃあ領収書を書け、そうしたら150払うから」、と僕は言います(心の中では、「この事実は本に書くからな」と)。

20リアル札を取り戻し50レアル札を渡します。領収書としてノートに名前と料金などを書いてもらいます。書いてもらいつつ、「あなたは良いガイドだが、こういうやり方はとても気持ちが良くない」と言ってやりました。ガイドは聞き流していた。きっといつものことなんでしょう。

オリンダ入口の広場で前日のガイドに再会

このヘビーなやり取りの後、時間がなかったのでタクシーで宿へ荷物を取りに行き、そのまま空港へ向かうことにしました。タクシーはガイドがウロウロとする海沿いの広場から乗りました。その広場に戻ると、またしても前日のガイドと顔を合わせることとなりました。この時は近くには寄ってきませんでしたが、僕と目が合うとサッカーで言う交代のジェスチャー(両手の人差し指を糸巻きのようにグルグルと回し)をし、恐らく「チェンジしやがって!」と訴えているようでした。

昨日はそれなりに仲良くなりましたが、こんな状況だけに一生の別れとなるだろうが何も挨拶のジェスチャーもせず、粛々とタクシーに乗り込みました。いったい僕が何か悪いことをしたかって。

ちなみに、この空港までのタクシーで運転手からニュースを教えられました。日本で列車が脱線してたくさんの死者が出たと言います。それがJR福知山線脱線事故のことでした(偶然にも、この記事をアップしたのは事故からちょうど3年後の同日でした)。大きな事故と重なり合って、このガイドたちとのやり取りも一生忘れることができなそうなこととなりました。そして、この項の冒頭で書いたように「二度と行くかこんな街!」という印象のまま、僕はこの先生きていくことになるんだろうな、と思います。




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CommentData » Posted by yabani at 08/05/01

雇ったガイドに最後にこういうことをされると、今までの楽しかったことが全て帳消しになりますよね。イエメンでも、たまにそういうことがありますね。リピーターになる可能性のある客に対してこういうことをすると、長い目で見ると結局損をするということを考えないんですよね。残念です。


CommentData » Posted by jnhppp at 08/05/02

yabaniさん。コメントありがとうございます。

まったくその通りですよね。ましてやネットのクチコミのこの時代です。このようなことを続けていけば観光客は減り、それがゆえに1人の観光客からより多くのお金を引き出そうとし、さらに客が来なくなる。スパイラル構造が見えてくるようです。元々は街のストリートチルドレンをなくすために始まった組織なんですけど。残念です。


CommentData » Posted by ホテルマン at 08/05/02

人気ブログランキングの旅行・観光カテゴリからたどってきました。
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CommentData » Posted by 海外旅行ガイドブックのお仕事 at 08/05/04

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CommentData » Posted by 旅好きおやじ at 08/05/04

一気に読ませていただきました。

文章の臨場感に、自分がその場にいるような気がしてきました。
発展途上国ではよくお金の問題は起こりますが、旅の印象を悪くしますね。

公式ガイドだったらガイドさんのガイド料をきちっとガイド協会が決めておくべきですね。


CommentData » Posted by jnhppp at 08/05/05

旅好きおやじさん。コメントありがとうございます。

おっしゃる通り、ガイド料をきちっと決めてもらいたいものです。無料でガイドをして良ければ「寄付」をしてもらうという表向きに無理があるんですよね。だいたい。


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東京生まれの40代(になってしまったw)。仕事情報誌でたまたま見つけたガイドブック編集会社に入社。以後、同業界に携わる。2006年に別業種に転職。

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