最終章・枕の下にチップを置くのは日本人だけ? - 海外旅行ガイドブックのお仕事

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最終章・枕の下にチップを置くのは日本人だけ?

Posted at 08/03/09 Comment(4)» Trackback(0)»

枕の下にチップを置くのは日本人だけ?」シリーズの最終章です。この記事からご覧の方はぜひ上のリンクより読み始められるとよりわかりやすいかと思います。

さて、前回の「続・枕の下にチップを置くのは日本人だけ?」では、ピローチップ(枕銭)を置くのは日本人だけだ、というご意見のサイトを2つほど紹介しましたが、今回は「チップは必要という派」の意見も紹介したいと思います。

では、チップ肯定派の意見から。



元添乗員の方はチップは必要と

まずは肯定的な意見が多かった、Q&Aサイトの「教えて!goo」の質問内容「チップについて」を見てみましょう。

質問者の方が、「ある添乗員の方が書いた本に、枕の下にチップを置く必要はないというような文章が書いてあった」ことについて質問をされ、それに対して9件の回答がついています。

9件のうち、ピローチップ(枕銭)に否定的なのは1件のみ。あとは皆さんチップは払うべき、払っていますという意見。そんな肯定的な意見のなか、「良回答20pt(Yahoo!知恵袋でいうところのベストアンサー)」を得た元添乗員という方がコメントされていました。

いわく、「枕銭に関しては、そういう主張(=置かなくていい)は少数派だと思います。 行き先やホテルのランクにもよりますが、私が添乗したツアーのお客さんには お互いに気持ちよい思いをするために1ドル相当でよいから置くようにお勧めしてました。 ただ「給料が安いので生活費の一部」と言っても、あくまで心付けなので どうしてもあげたくない、という人がいたら強制まではできません。

このコメントを見て、ふと気づくことがありました。「そうか、昔の添乗員さんって日本から同行することが多かった訳で、その国の専門家ではないんだ。アメリカに行くことが多い添乗員さんがヨーロッパに行くこともある訳で、その際アメリカで旅行者に言う説明と同じことをヨーロッパに来ている旅行者に言っているということもあり得るな」、と。

これって、ガイドブックでも同じことがいえることです。一昔前の話ですが、大手ガイドブックの旅の準備に関するページには、ほとんどの国のガイドブックにほぼ同じ内容が書かれていました。記憶にあるところでは、トラベラーズチェックに関する記事です。「トラベラーズチェックは購入時に手数料が掛かるが、両替時に(現金よりも)有利なレートが適用されるし、紛失時に再発行されるという安全性もあり、お得である」と。

こういう書き方をしていれば安全だな、と思われるものを出しておけば問題がないからです。上記のトラベラーズチェックの内容ですが、「購入時に手数料がかかる」「両替時に(現金よりも)有利なレートが適用される」「紛失時に再発行が受けられる」と、どれも事実です。でも、国によってはトラベラーズチェックはそのまま使えず、現金に両替しなくては使えないことも多いですし、その現金両替時に手数料がかかったり、辺鄙な田舎などでは使用できないことだってあります。

つまり、添乗員さんが国を問わず「ピローチップ(枕銭)を置いておきましょう」と言っている可能性があるのかな、と仮定してみた訳です。お客さんにチップを置いてくださいとお願いして、そのチップが取っていかれればもちろんベストですが、チップを置いたのにメイドさんが取っていかない場合でも、メイドさんがチップを取り忘れた、もしくはチップに気づかなかったと解釈すればよいだけのことです。チップを置かないためにホテル側から苦情が出たり、そのためにサービスが悪くなったり、(最悪)物を取られたりということの予防になり、添乗員さんの手間(トラブル対処)も省けるわけです。まさに添乗員さんにしてみれば、お客さんにチップを置いてとお願いすることは有益なんではないでしょうか。

ピローチップ(枕銭)は、日本人だけの習慣ではなかった!?

ちょっと話がそれたような感じがしますが。。。そろそろ核心へ進みたいと思います。

今回、この記事を書くにあたって、いろいろなワードで検索をしてみてましたが、一番「なるほど!」と思わされたのが、次のページでした。連続になりますが、「教えて!goo」から「ホテルとタクシーのチップ」という質問への回答でした。

この質問・回答で注目すべきは、前回の記事「続・枕の下にチップを置くのは日本人だけ?」でさんざん言われていた、ピローチップ(枕銭)は日本人だけの習慣であるということを覆す、2つの記事です。

それは、ANo.4(アンサーNo.4番)と、良回答20ptを獲得したANo.7の記事です。この2つの共通点は、いずれもアメリカのウェブサイトへのリンクがあり、どちらもピローチップ(枕銭)について書かれている内容だというところです。

ANo.4のほうは、videojugというビデオメッセージのサイトへのリンクで、この中でルーム・メイド(ハウスキーパー)へのチップはどれぐらい置けばよいのでしょうかという質問と、それに対する回答が載っています。

それによると、部屋中を汚しまくったならたくさん払わなくてはならないけど、普通に部屋を使っただけなら、1晩につき2から5ドルぐらい置くと感謝されます、と回答されています。

ありゃりゃ、どうやら日本人だけの習慣ではなさそうですね。

アメリカにも本当はピローチップ(枕銭)の習慣があるらしい

さらに、ベスト回答に評価されたANo.7の回答では、アメリカ全州で発売されているUSA TODAYという新聞のウェブページのとある記事を取り上げています。記事はこちら(英語です。ieとFireFoxで見る限り、レイアウトが壊れています)。

記事タイトルは「Maid for a day(メイドのとある1日。てな感じでしょうか)」で、内容的には16年間ハウスキーパーの仕事をしている、ある女性の生活について書かれているドキュメンタリータッチの記事です。ハウスキーパーの仕事は重労働なわりに、平均的初任給は時給にして7ドル程度。それなのに、こんな大変なのです、と平均的1日の仕事内容がとある日のタイムスケジュールとともに紹介されています。

その中でも注目は、記事途中にある「TO TIP OR NOT TO TIP?(チップを払う、払わない?)」という囲み記事でした。我流なる翻訳&要約をしますと、「137人のVacationers Panelists(観光についての専門家?)に調査してみたところ、約半分がハウスキーパーへのチップを払ったことがない、もしくはたまにしか払わないと回答。30人の払わないと回答した人の理由としては、そんな習慣があるとは知らなかったや、その分は宿泊費に含まれていると思っていたとのこと」。

つまり、アメリカ人のその道の専門家であっても、ピローチップ(枕銭)について知らない人が半数いる訳で、一般の人が「そんなチップ、聞いたことがない」と言う理由も納得ですね。

一方の払う人たちの理由も書かれていて、「部屋が確実に掃除されるように」「タオルの替えやアメニティがきちんと置かれるように」さらには、「彼らの仕事がハードワークだと知っているから」というものまで。主に部屋が綺麗にされる保険として置くという意味合いなんでしょうかね。

この囲み記事ではさらにチップの正しい渡し方まで書かれています。いわく「ハウスキーパーは、自分たちへのチップだと明らかにわかるもの以外は手を付けないように教育されているので、封筒に入れて、『Thank you』と書き添えて置いておくといいでしょう」と薦めています。金額は2から5ドル程度だそう。

ピローチップ(枕銭)の結論、こんな感じでいかがでしょう?

ふう。結構な長文になってしまいましたが、ここでまとめとさせていただきます。

  • まず、ピローチップ(枕銭)が必要な国と必要でない国がある。それらは各国の政府観光庁などのホームページで調べ、知っておくこと。現地在住の添乗員さんが同行なら、その人に聞いてみましょう(日本から同行の添乗員の場合は、僕的にはそれほど信用できないという結論)。
  • ピローチップ(枕銭)が必要な国であれば、誰が払う必要がないと言おうとも、気持ち良い滞在のためにも置こうじゃありませんか。
  • ハウスキーパーがチップだとわかるように、ベッドのサイドテールブルにメモを添えて(封筒に入れるまでしなくてもいいかと判断。エコの時代ですし)置く。

ちょっと強引にもまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。ご意見などがありましたら、コメントいただければ幸いです。




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CommentData » Posted by mii at 08/03/12

なるほど~アメリカ人でも日本人でも、人による、ってことなんですね。
確かに以前、アメリカ旅行でガイドさんに「ハウスキーパーやポーターの給料は安いので、チップをあげて下さい」と言うような言われ方をした事があります。それ以来、チップの習慣がある国に滞在した時は、ピローチップを置くようにしてました。
でも、別に悪い事ではないし、それで気持ちよく過ごせるならいい事ですよね。
これからも安心してチップを置いていこうと思います。で、小銭の持ち合わせがない時は安心して「今日はごめんなさい」しようと思います(笑)
興味深い記事、ありがとうございました~!


CommentData » Posted by jnhppp at 08/03/13

miiさん。

コメントありがとうございます。
そうですね、チップというものは、もらうほうだけでなく、渡すほうも気持ちが良いものでなくてはならないと思います。

またぜひ、コメントお願いします。


CommentData » Posted by 匿名 at 08/03/20

アメリカに20年近く在住し、アフリカ、アジアなどの国々にも数年ずつ住んだ経験中、旅行も数多くしましたが、サービスに特に不満がない限りわたしたちは宿泊料金の10%程度をいつもチップとして部屋に置いております。アメリカ人の夫とその家族が、必ずそうしているものですから、それが普通なんだと思っておりました。ハウスキーパーは毎日同じ人が来るとは限らないので、連泊の際にはその日その日でわかるようにしておいたり、直接手渡したり。ちなみにレストランなどではアメリカでは17%程度を目安にしています。「約半分がハウスキーパーへのチップを払ったことがない」というのには、驚きました。
サービス業の携末端の仕事の方々の給料はほんとうに安く、彼等の多くがシングルマザーであったり、移民で貧困状態になったりすることが多いもので、チップによる収入は大事なものです。ただ、本来なら雇用主が彼等の生活をサポートできるだけの給料を出すべきで、サービス料は宿泊費に含まれたものとして、きちんと彼等の給料に反映されればよいのですが、そうならないのが辛い現実のようですね。


CommentData » Posted by jnhppp at 08/03/20

匿名さん(!?)。

貴重なコメントをありがとうございます。とても参考になりました。
USA Todayの記事は、まったくビジネスライク化したアメリカの現実が表れているような感じでしょうかね。

またのご訪問をお待ちしております。


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東京生まれの40代(になってしまったw)。仕事情報誌でたまたま見つけたガイドブック編集会社に入社。以後、同業界に携わる。2006年に別業種に転職。

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