Posted at 08/08/04 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
海外旅行ガイドブックのお仕事への道 18
社長と離れて、この業界に入っての初の単独取材。当時はまだ西洋人たちに開拓されて間もなくで、閑散とした場所でしたが、今では空港ができ、ハリウッド映画の撮影があったりで人気のリゾート地になっているようです(その後、一度も訪れていないので…)。
さて、その目的のビーチに着きました。このときはまだ開拓されて数年目ということ、さらに西洋人が好まないオフシーズンということもあり、着いてみても外国人(つまりは西洋人)の姿を見ることがありません。
まあさておき、まずは重い荷物を背負っているので、今夜の泊まるところをさっさと決めて、荷物を置いてから街の取材をしようというダンドリに決めました。初めての宿探しです。
すでに書いていると思うのですが、僕はこの業界に入るまで一人旅はほぼしたことないですし(友人と旅をして、結果的に短期間1人になったことはありましたが)、安宿を泊まり歩くというバックパッカー的な旅行もしたことはありませんでした。
社長にも特に安いところに泊まれ、と指示をされたわけではないですが、なんとなく立派そうなホテルには泊まるべきではないな、と思ったわけです。
で、1軒目。とりあえず訪れてみようと入ったのが、ビーチから道を挟んだ場所の草地に立ち並ぶバンガロー宿でした。日本や、僕がそれまでプライベートで訪れたことがあるリゾート地では、バンガローの宿といえば高級感が漂うところだったというイメージがあったので、掃除をしていたスタッフに部屋を見せてくれと頼みました。ざっとベッドを見てみるとそこそこ奇麗でした。値段を聞くと日本円で千円未満。それをだけで、僕は「OK、ここに泊まります」と答えてしまったのでした。
部屋に荷物を置いて、チェックイン手続き。英語はほんの少し通じる程度でした。宿帳のようなものに名前を記入させられたのですが、僕の前に泊まった人は5日前にチェックイン。どうやら人気のない宿のようでした。
初めてのレストラン取材。でも取材も自腹?
それから、夕方も近かったので近くにあったいくつかの宿で、これまで社長に教わったようなホテル取材をこなし、やがて日も暮れてきたので、ガイドブックで紹介しているレストランで夕飯を済ませます。
いやしかし、これから幾度となく取材で経験することとなる独り飯ですが、これがデビュー戦でした。たいしてお腹がすいていなくても、やはりその店の多くのメニューをチェックしてみたいわけですから、数品を注文することになるのですが、なんとこの会社では取材であっても食事代は自腹なんです。今になっていろいろな社会経験を経て考えれば、とんでもない話ですよね。まあ、そのことについては別の機会に語るとしましょう。食べきれないほどの量の食事を前に、一応写真を撮り、食事についてのコメントをメモに書きつつ、明日からの取材への不安も思いつつも、食事をしたことが思い起こされます。
宿に戻ります。移動疲れもあり、買ってきた缶ビールを飲みつつ、カメラの機能説明書を読みつつ寝てしまったようでした。初取材の日はこうして終わりました。
穴だらけだった、初取材の夜の悪夢
とはいきませんでした。夜中、パッと目が覚めます。
か、痒い…。それと同時に蚊の飛ぶ音が執拗に旋回しています。仕留めようと何度かトライしましたが、手を出すときにはすでに音は遠ざかる。起き上がって電気をつけてみると、この宿に備え付けてあった蚊取り線香を点していたはずなんですけど、それは消えていました。飛んでいる蚊を目をこらして見つけると、日本の蚊のように漂うようには飛ばず、ものすごく速い動きで直線的に飛び回っています。
そういえばドアの上に風を通す穴なんでしょうか、網戸のない風穴が空いていて、ドアのしたには10センチ以上の隙間が空いているのでした。蚊帳はないし。今思えば、絶対泊まるべきではない最悪な宿だったわけです。
蚊を捕らえることはできず、数匹退治できたとしても、どうせまた窓から入り込んでくるわけだし。蚊取り線香に再度火を付け、シーツを鼻の辺りまでかけてしばらく時を待ちます。そういえば、道路を挟んだところの波の音がものすごく聞こえてきていました。この音がさらに不安にさせ、しまいには500円玉の倍ぐらいはあろう蜘蛛が壁を這っているのを発見。寝られずのまま朝を迎えました。
本当に、書くのもはばかるような、ウソっぽくも思えてしまうほどに悲しい最初の夜でした。
>> 海外旅行ガイドブックのお仕事への道 19に続く
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